お金の話

【資金計画】キャッシュフロー表の作り方【ライフプランニング】

あなたの家作りの予算はどれくらいですか?

ハウスメーカーで建てようが工務店で建てようが、あるいは建売を購入しようが、必ず先方に聞かれること、それはずばり予算です。
「こんな家が欲しいな~でも予算はこれくらいかな…?」と誰しもが考えます。

では質問を少し変えてみます。その家作り予算の根拠は何ですか?

実は予算というのは額の大小よりもココが大事なんです。予算というのは要するに「これくらいの費用がかかるだろうな」という予定・計画のことですので、これにしっかりと裏付けが無いと全くの無意味なものとなってしまいます。

「検討しているハウスメーカーは、大体これくらいの坪単価だから…」
「現在住んでいるアパートの家賃が〇〇円で、月々同額のローンを組むとするとこれくらいだから…」
「○○という信頼できるサイトで、住宅購入費用の平均値がこれくらいだったから…」

これらは全て予算の根拠としては不十分です。
先程も申し上げましたが、予算とはかかる費用の予想額であり、これすなわち住宅ローンの返済額です。根拠の無い予定を立ててしまうと恐ろしい未来が待っています。

それではどうやって予算に裏付けをしたら良いのでしょうか?
実はその方法は一つしかありません。それが「キャッシュフロー表」を作ることなんです。

キャッシュフロー表とは?

まずキャッシュフローとは何かですが、キャッシュ(Cash)のフロー(Flow)、つまり"お金の流れ"を意味する言葉です。
コレを視覚的に分かりやすくするために"表"にまとめたものがキャッシュフロー表であり、現在の収支状況や今後のライフプランをもとに「将来の」収支状況貯蓄残高を予想し、一覧にまとめたものを指します。

つまり、キャッシュフロー表とはいわば「お金の予定表」であり、家計簿が過去のお金を管理するツールであるのに対し、キャッシュフロー表は未来のお金を管理するツールなのです。

キャッシュフロー表は自作できる!

キャッシュフロー表は、ファイナンシャルプランナーの教科書を開くと必ず第一章に登場するほど重要な概念です。
住宅展示場に訪れると「家づくりフェア」等でFPが相談を受け付けているときがあります。このとき、資金計画について相談すると、十中八九キャッシュフロー表を作製します。

作製すると言ってもあなたはFPの質問に答えるだけで良く、実際に表を作るのはFPです。
しかし、キャッシュフロー表を作製するのに特別な知識や道具は必要ではなく、誰でも簡単に作製することができます。
むしろ、自分自身で作製したほうが「お金と向き合う」という点にプラスに働くと思います。

ここはぜひキャッシュフロー表を自作してみて、お金と真正面から向き合ってみましょう。

基本的なキャッシュフロー表の作り方

キャッシュフロー表に必須となる要素は4つしかありません。

  1. 年間収入
  2. 年間支出
  3. 年間収支
  4. 貯蓄残高

1.年間収入

年間の世帯収入です。一般にこの数値は「可処分所得」を用います。
可処分所得の定義は以下になります。

可処分所得 = 年収 - ( 所得税 + 住民税 + 社会保険料 )

要するに「手取り」のことですね。自分自身が用途を自由に決められるお金のことを指します。

2.年間支出

年間の世帯支出です。生活費や教育費、住宅ローン返済もここに入ることになります。

3.年間収支

収支とは収入と支出をひとまとめにした言葉ですが、ここで言う収支は収入から支出を差し引いて出た数字のことに他なりません。従って、

年間収支 = 年間収入 - 年間支出

ということになります。

4.貯蓄残高

年間の収支が分かると、その年の貯蓄残高が計算できます。すなわち、

本年の貯蓄残高 = 前年の貯蓄残高 + 年間収支

年間収支が黒字であれば貯蓄残高は増え、逆に赤字であれば貯蓄残高は減ることになります。

+αを加えて表を完成させる

以上のデータをもとに表を埋めていきますが、FPの教科書ではここで「変動率」という概念を使っています。

例えば年間収入には今年の年収を記入するわけですが、翌年以降はどうすれば良いでしょうか?
大企業や官公庁にお勤めであれば、年収は次第に上がっていくことが予想されます。このとき、「1年ごとに年収が○%くらいは増加しそうだ」という予想数値が変動率です。

変動率は支出にも適用されます。例えば食費で考えると、お子さんが成長期を迎えればほぼ必ず食費は増加します。ここで○%食費が増加しそう、という予想は難しいですが、増加することに間違いはありません。

また、資産運用をしている場合は貯蓄残高にも変動率を適用します。つまり、ポートフォリオのパフォーマンスを入力します。

この他に、お子さんの進学など収支が変化しそうなイベントを表に記入しておくと分かりやすくなるでしょう。

SPSマン式キャッシュフロー表の作り方!

以上が基本的なキャッシュフロー表の作り方です。ここまで読んでいただきありがとうございます。

しかしここからが本番です!

キャッシュフロー表の問題点と改善点

既存のキャッシュフロー表はわかりやすさを重視するためか、詳細さと正確性を欠いています

例えば「支出」という項目ですが、これは一体全体何を指しているのでしょうか?
例えば生活費は支出ですが、出費のどこからどこまでを生活費に含めるのかというのは個々人の価値観に基づいていますので定義が不可能です。
生活費の中には、食費のように増加が見込まれるものや、ガソリンのように増減の予想が難しいもの交際費のような突発的に発生するものなど、多種多様な要素が含まれています。
このように複雑なものを一括して「変動率○%で増加するだろう」と結論づけるのは、いささか危険であるように思えます。

そもそも変動率という概念はキャッシュフロー表に適当なのでしょうか?
キャッシュフロー表が「お金の予定表」であるならば、未来をより具体的に見通すために、用いる要素・数値はできる限り正確であることが求められるはずです

「キャッシュフロー表+家計簿」

そこでこの問題を以下の2つの方式をキャッシュフロー表に適用することにより解決します。

  1. キャッシュフロー表の1期間を「年間」ではなく「月間」に変更する。
  2. キャッシュフロー表の支出項目を細分化し、家計簿としての機能を持たせる。

つまり、年間収支では無く「月々の収支」、支出では無く「食費・光熱費・生活費需品費・移動費・娯楽費・税金…etc」にし、キャッシュフロー表と家計簿を一元管理できるものを作製しよう!というのがワタクシSPSマンの提案です。

こうすることのメリットは既に述べましたように、未来予想の精度向上が望めること、またキャッシュフロー表を埋めていくことは家計簿を付けることと同義になりますので、否が応でもお金に対する意識が向上することです。

一方でデメリットは既存のキャッシュフロー表よりもはるかに手間がかかることです。月々の食費・光熱費・生活必需品費etcの金額を正確に記録しておかなければなりません。

家計簿アプリMoneytreeを使ってキャッシュフロー表を簡単に作成する

実はこの手間を軽減する方法こそが、自動家計簿アプリ「Moneytree」なんです。

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キャッシュフロー表の支出項目を細分化するのであれば、支出の詳細なデータは欠かせません。
Moneytreeは支出を自動で仕分け・記録してくれますので、キャッシュフロー表を作るためのデータはMoneytreeからそのまま引っ張ってくればOKということになります。

実際に作ってみよう!

それでは実際にキャッシュフロー表を作ってみましょう。エクセルを使って説明していきますが、スプレッドシートの類なら何でもOKです。

SPSマンは表計算ソフトに関してド素人です。ですので非効率的なところが多々あるかもしれませんが、キャッシュフロー表という概念をお伝えできれば幸いと思っています。もしあなたがキャッシュフロー表を作成する気になり、表計算ソフトに詳しいのであれば、ぜひ改善していただければと思います。

まずは既存のキャッシュフロー表と同じように収入・支出・収支・残高の列を作成します。
(以下、数値は例です。Moneytreeで1円単位までデータを拾えますので、実際に作るときは1円単位まで使いましょう。)

ここで、収支とは収入から支出を差し引いたもの残高は先月の残高に収支を足したものですので、それぞれには上のように計算式を入れます。オートフィル機能で下まで埋めてしまいましょう。

次に支出を細分化していきましょう。どこまで細分化するかは自由です。「この項目に毎月どれくらいかかっているのか知りたい」と思うものは項目を設けましょう。
ちなみにSPSマンは

  1. 変動支出1→必ず発生するが毎回金額が異なるもの
    • 例.食費・光熱費など
  2. 変動支出2→毎回金額が異なり、かつ発生するかどうか分からないもの
    • 例.娯楽費・交際費・医療費まど
  3. 固定支出→必ず発生し、毎回金額がほぼ同じもの
    • 例.住宅ローン返済(家賃)・通信費・学費など

以上3種類に支出を分け、されにそれぞれを細分化し管理しています。細分化された項目の和が①~③の数値となり、①~③の和が月々の総支出となります。

次に収入を細分化していきますが、支出ほど細分化する必要はありません。せいぜい、自分の給与・パートナーの給与・(やっていれば)副業の収入・補助金の類くらいでしょう。
これらの項目の和が月々の総収入となります。

総収入と総支出が埋まると、最初に定義したとおり収支が計算され、収支から貯蓄残高が計算されます。

記録を継続しデータを集めよう

以上を少なくとも半年、できれば2年間続け収入・支出のデータを集めていきます。
データが集まると、各項目が月々どれくらいの数値であるのか、つまりおよその平均値が分かります。

この平均値を既存のキャッシュフロー表の変動率に代わる係数として用いているのがSPSマン式キャッシュフロー表の特徴となります。

計算された平均値をキャッシュフロー表の未来の部分へと適用…つまり平均値を今後の予想値として用い、特定時点での貯蓄残高を求めようとする試みというわけです。

この平均値のデータ数はどれくらいが適当なのか?という問題ですが…SPSマンは2年間、つまり24ヶ月分が妥当だと思っています。
1年間ですとイレギュラーな数値(例えば交際費として冠婚葬祭の費用を計上した場合など)に影響を受けすぎる可能性がありますし、3年間だと数値変化の傾向を見逃す可能性があるからです。

平均値と予想値の「乖離」を測り、予想値を修正する

平均値は予想値としての正確性を保つため、常に更新していかなくてはなりません。

  • 2020年6月のデータを記入したら、平均値は2018年7月~2020年6月のデータから算出
  • 2020年7月のデータを記入したら、平均値は2018年8月~2020年7月のデータから算出

このように平均値を更新していくと、"ある時点で記入した予想値"と"今月算出された平均値"に差が発生することがあります。つまり、平均値と予想値の間に乖離が発生している状態です。

そこでこの乖離がどれくらい発生しているかを測り、予想値を適宜修正していきます。
これには「乖離率」という指標を使います。2つの数値がどれくらい離れているかをパーセンテージで表す関数です。

SPSマンはこの「乖離率」が5%以上になったら予測値を修正するようにしています。

更新された平均値と予測値の乖離率が5%以上になりましたので、予測値を置き換えました。
再び次月より予測値を実測値へと置き換えていき、実測値から算出される平均と予測値の乖離率が5%を超えたら、来月以降の予測値を現時点での平均値に置き換えます。

平均値よりも正確に予測できるのならそちらを使おう

一方で、平均値が予測値として機能しない項目や、金額がある程度予測できる項目があります。
例えば学費などは小中高でこれくらい、公立・私立でこれくらい、大学はこれくらいという情報が検索で手に入りますので、そちらの値を使ったほうが良いでしょう。

平均値と予想値の更新を繰り返し、未来のお金を管理する

SPSマン式キャッシュフロー表は家計簿でもあります。データの記入を継続し、平均値と予想値を最新状態に保ちましょう。そうすることでキャッシュフロー表としての精度が保たれることはもちろん、家計簿としても使いやすくなります。(問題点や改善された項目の確認など)

家づくり予算の立て方

キャッシュフロー表を作製したことにより、いよいよ家づくりの予算が本当の意味で分かることになります。

既に察している方もいらっしゃるかもしれませんが、固定支出の「住宅ローン返済」項目を基点とし、各数値を色々変えてみてください。

  • ローンを月1万円減らすと10年後の貯蓄額はどう変わるのか
  • 収入が1割減少したとしてローン返済額は妥当なのか
  • ローンを月1万円増やすために削れる支出はないか

…などなど。

マイホームにどれだけお金をかけるかというのは個人の価値観ですので絶対的なことは言えませんが、「年間の予定収支がマイナスにならない」というのがローン返済額のデッドライン目安になるのではないでしょうか。このラインに近づきすぎるのは危険ですが、例えば他の支出項目を削ってみると収支が案外改善された…ということもあります。

もちろん、将来の収入増加のために努力を惜しまないというのであれば、そういった要素を加味しても良いでしょう。貯蓄残高の増加速度や教育資金・老後資金と相談して、より良い家を手に入れるためにもう少しローン返済額を増やしても良いかもしれません。

逆に貯蓄残高が次第に減少していくようなローン返済額はアウトです。キャッシュフロー表のシミュレーションで分かって本当に良かった。もう少し家のグレードを下げたり、ハウスメーカーを選びなおすなど、ローン返済額を減らすような対策を講じましょう。

いずれにせよ数字を色々と動かしてみて、最終的に定まったローン返済額から借入額を逆算してみてください。結論としては、それがあなたの本当の意味での予算額となります。

まとめ

SPSマン

  • 大体このくらい」みたいなあやふやな予算だと、予算オーバーや"費用を気にしすぎて満足の行かない家"になりやすい!予算に根拠があれば家づくりのスタートは完璧や!
  • 「いくら借りれるかよりもいくら返せるか」…なんて言葉があるが、いくら返せるのかを分かるにはお金の予定表であるキャッシュフロー表を作るしかない!
  • キャッシュフロー表を作り月々どれくらい返済できるかをシミュレーションし、逆算して借入額を出すんや!それが本当の意味で家づくり予算になるんやで!
  • キャッシュフロー表は家づくりだけでなく、その後の生活にもめちゃくちゃ役に立つ!人生を助けるツールとしてぜひ作って欲しいんや!

何を隠そう、SPSマンもこのキャッシュフロー表のおかげで家を建てる決心が付きました
当初高額ハウスメーカーなんて絶対無理だと決めつけていましたが、実際に返済額をキャッシュフロー表でシミュレーションしてみると意外に払えることが分かり、契約に踏み切ることができました。

キャッシュフロー表を作ることは無謀な予算を事前にストップできるだけでなく、無理だと思っていた理想の家を手に入れることにも役立ちます。
一度作ってしまえば月に1回更新するだけで一生役立つツールとなりますので、ぜひ作ってみてください!

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